目次
「ヴェルナー・シュラガー」選手を紹介したいと思います。
1990年代後半から2000年代に活躍した選手である為、現在、学生の方は知らない方が多いと思います。
しかし、世界卓球で優勝経験のある選手であり、現在でも勉強になるところがある選手だと思います。
シュラガー選手について
・1972年9月28日生まれ
・オーストリア出身
・ドライブ主戦型 シェイクハンド
・ラケットは本人モデルであるバタフライ製「シュラガー」、ラバーは「テナジー05」を使用
父親の影響で5歳から卓球を始めました。幼少期は、サッカーもプレーされていたそうですが、10代前半から卓球に専念し、オーストリア国内でジュニアチャンピオンになった後、18歳でオーストリア代表チームに加入しました。卓球選手としては珍しいタイプであり、20代中盤から頭角を現し、有名になった遅咲きの選手です。
プライベート
コンピュータに詳しく、自身でハードウェアを組み立てることが趣味です。
現在は、引退してオーストリアで「シュラガー・アカデミー」を運営しています。
既婚者であり、子供もいます。
戦績
1999年・・・第45回世界選手権アイントホーフェン大会 男子シングルス3位
男子ワールドカップ準優勝
2000年・・・ヨーロッパトップ12優勝
2003年・・・第47回世界選手権パリ大会 男子シングルス優勝
2008年・・・ヨーロッパトップ12優勝
2009年・・・ヨーロッパ選手権シュトゥットガルト大会
1995年〜2006年・・・オーストリア選手権男子シングルス優勝
シュラガー選手の戦績において特筆すべきは、2003年の世界卓球シングルスにおいて優勝したことです。オーストリアとしては66年ぶりの男子シングルスのタイトルであり、現在まで(2021時点)シュラガー選手を最後にヨーロッパ選手の世界卓球優勝者は居ません。この功績に隠れていますが、オーストリア選手権男子シングルスを12連覇されています。
なお、2003年世界卓球優勝後にはオーストリアの年間最優秀スポーツ選手に選ばれ、記念切手まで制作されました。
プレースタイル
ドライブ主戦型ではありますが、基本的に前陣で勝負するスタイルです。多くのヨーロッパ選手は、ラリー戦に持ち込んで戦いますが、シュラガー選手は早い展開からリスキーにカウンターを狙うスタイルです。
リスキーに特点を狙うため、失点する可能性も高いですが、多彩なサーブを持っており、そこでバランスをとっています。
シュラガー選手のサーブについて
シュラガー選手は、ハイトス(ボールを高く投げ上げるサーブ)やYGサーブをいち早く取り入れたサーブの名手としてしられます。回転量も多く、モーションからの回転の判断もしずらい為、サービスエースをとることも多くあります。
↑非常に参考になる動画です。見たことない方は、是非とも参考にして下さい。
使用用具について
ラバー
シュラガー選手は両面「テナジー05」特厚を使用されていました。非常に回転がかかるラバーで有名です。長年「ティモ・ボル」選手も使用していました。シュラガー選手は、フォアに黒色、バックに赤色を貼っていました。
上級者向けのラバーです。
ラケット
ラケットは自身のモデルである「シュラガー」(現在は廃盤)を使用されていました。
カーボン入りの非常に重量感のあるラケットであり、当時のバタフライが販売しているラケットの中で一番飛ぶラケットでした。
ですから、「シュラガー」はかなり上級者向けラケットであり、シュラガー選手の様なカウンターを主軸とした選手でないと使えないラケットです。個人的には、非常に重いラケットである為、多くの日本人選手には合わないラケットだと思っています。
シュラガー選手に憧れた方は、メルカリ等で購入してみてもいいと思います。
シュラガー選手のおすすめ動画
当大会の男子シンングルスでは、優勝候補であった中国勢が敗戦して、シュラガー選手とまだ当時、無名選手であった韓国のカットマン朱世赫選手の決勝となりました。
2009年のヨーロッパ選手権男子シングルス決勝です。相手はデンマークのメイス選手です。この時期に、メイス選手は以前多用していたロビングを辞めて中陣からラリー戦をするスタイルに戦術変更しています。
2010年にあった因縁の戦いです。シュラガー選手はキャリア終盤であり、以前よりもミスが多くなってきています。対照的に歴代最強のカットマンと呼ばれるまでに成長した朱世赫選手です。
サムネ画像は卓レポ名勝負セレクション|シュラガー 対 朱世爀(世界卓球2003パリ大会 男子シングルス決勝)から使用しています。 引用元:BUTTERFLY